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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

6年以上続く慢性頭痛に漢方薬が効果があった症例

2020年12月01日

headache

こんにちは。ミズホ薬店の山本です。

最近の話になりますが、病院に通い検査で異常はなくロキソニンや五苓散・当帰芍薬散などをもらい内服するも慢性頭痛は改善しないという相談がありました。

学校もほとんど行けていないので出席日数も危うくなってきたので、卒業できないかも?とプレッシャーが大きい相談です。

頭痛はいつ頃から

頭痛は小学生のころから始まり、中学生の時に頭痛でたまに学校を休むようになりました。

病院で処方される鎮痛剤が効果があれば良いのですが、この方には効果がないので痛みで学校を休んでしまうようになりました。

高校生になると頭痛がおこる回数が増えて、最近は1週間のうちの半分以上は痛むようになってしまい、ほとんど学校にいけなくなりました。

五苓散が効いた事もあった

ロキソニンなどの鎮痛剤が効果がないので、病院でも漢方薬が出されました。

まずは五苓散を出されて、はじめのうちは効果があったのですがそのうち効果がなくなり、五苓散ではほとんど痛みを止める事ができなくなり、学校を休むようになりました。

その事を医師に相談すると、五苓散に加えて当帰芍薬散を処方されて内服するも、当帰芍薬散を飲むと胃がムカムカするので継続して内服するのは不可能になりました。

当店に来店される

五苓散と当帰芍薬散では効果ないことを医師に伝えても、漢方薬の処方の変更がなかったので、当店に相談に来られました。

お客様は

  • ぽっちゃりと色白
  • 雨の日に頭痛が悪化する
  • 以前は五苓散が頭痛に効いた

これらの事から、はじめは頭痛の原因は水毒(体内の水のめぐりが悪い)だと思いました。

さらに

  • 頭痛がおこる時に吐きけがする
  • たまにめまいがおこる
  • 体がよくだるくなる
  • 頭痛の時に首がこる
  • 頭痛がおこるとほぼ一日中寝ている

とやはり水毒が原因でありそうな頭痛です。

水毒がありそうな症状と、首のこりが気になりました。

首のこりは、大塚敬節先生の著書『症候による漢方治療の実際』で呉茱萸湯を使用する目標のひとつとして上げていますが、お客様が訴える症状にめまいがあるのと小便の回数が少ないので、はたして呉茱萸湯でうまく水毒を改善できるのかと思いました。

さらに肝の気の異常を示す胸脇苦満と顔色が青白かったので、肝気を降ろす天麻が主薬で、脾胃の気を養い腎・膀胱まで水気をひっぱる作用のある半夏白朮天麻湯を飲んでもらう事にしました。

半夏白朮天麻湯を飲んでもらい1週間

お客様が言うには「ちょっと効いている気がする」との事でした。

しかし残念ながら、お客様が「ちょっと効いている気がする」と言う時は、だいたいが漢方薬が効いていない時です。

その証拠として、半夏白朮天麻湯を飲んでいた週もほとんど学校に行けていませんでした。

再度、お客様から色々な話を聞いて考えます。

五苓散が効いたのは桂枝と茯苓で頭部の水を動かすことによって、少し痛みが和らいだのかもしれないと思いましたので、そこからお客様から得た情報から再度「なぜ頭痛が起こっているのか?」をイメージします。

桂枝と茯苓の入った桂枝茯苓丸で水気と血を動かし、胸脇苦満や顔が青白く表情がとぼしい事から、四逆散を加える事で気を発散させる効果を増すことにより、頭痛を解消することができるのでは?と考えました。

桂枝茯苓丸+四逆散を飲む事1週間

桂枝茯苓丸+四逆散の効果はすぐに出て、ずっと悩んでいた頭痛はなくなり学校へ休まずに行けるようになりました。

おまけに便秘がちだったのですが、快便になるといううれしい副作用もついてきました。

しかし、週末になると頭痛は出ないが体のだるさが出て1日だけ学校を休んでしまいました。

桂枝茯苓丸+四逆散の組み合わせは緊張している体をゆるませる力が強いので、そのせいで体がだるくなってしまったのだと思います。

学校を休む前日にお客様はだるさの件は訴えていましたが、今まで長期的に痛みを抱えていたせいもあるのでだるさが出たかもしれないと思い、漢方薬の変更はせずに継続してもらいました。

しかし、だるさが軽減する事なく今度はだるくて学校を休むという事になってしまいました(苦笑

色々と考えた結果、頭痛は止まっているし、もうこれ以上学校を休ませてしまうと卒業できないという事態になってしまうので、漢方薬を大きく変更せずに桂枝茯苓丸+四逆散は残しつつ、補気作用が強く体を持ち上げる力のある補中益気湯でバランスを取る事にしました。

お客様に頭痛と体のだるさの具合で桂枝茯苓丸+四逆散と補中益気湯の飲む比率を、ご自身の感触で調整して飲んでもらう事にしました。

補中益気湯を加えて飲んでもらうと

途中でかぜをひいてしまい漢方薬の効き目がわからなくなり、学校を休んでしまうというトラブルがありましたが、桂枝茯苓丸+四逆散+補中益気湯をご自身の感触で調整してもらう事でほぼ頭痛もだるさも出なくなりました。

そして頭痛が原因でほとんど学校が行けない状態は解消され、現在は休まずに学校にいけるようになりました。

出席日数が少ないので、もうほとんど休めない状態なので本人で桂枝茯苓丸+四逆散+補中益気湯の配合をバランスを状況に応じて比率を変えて、なんとか卒業まで乗りきってほしいです。

今回をふりかえって

今回の頭痛は鎮痛薬が効きませんので、出席日数も少なく卒業の危機がありましたので、即効で漢方薬を効かせる必要がありプレッシャーが大きく、ツギハギのような漢方薬の構成になり反省する点は多々ありますが、結果良しとしたいところです。