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鼻の奥(上咽頭)に後鼻漏がへばりつく原因と効果がある漢方薬

2023年11月20日

慢性上咽頭炎や後鼻漏のご相談を受けていると、鼻の奥(上咽頭)に後鼻漏がへばりついて不快という方が多いです。今回はなぜ後鼻漏が鼻の奥にへばりつやすいのかという事と、漢方ではどのように対処するのかという事を書いていきます。

鼻の奥(上咽頭)に後鼻漏がへばりつく原因

鼻の奥は上咽頭といわれ、その上咽頭炎の構造的な問題が後鼻漏がへばりつきやすい原因になっています。

中咽頭と下咽頭は飲食物が通る必要があるので、扁平上皮という口腔内と同じ頑丈な組織でおおわれているのに対して、上咽頭炎は鼻腔や気管のように線毛上皮でおおわれています。

中咽頭や下咽頭の扁平上皮の表面はフラットとでつるっとしていますが、鼻腔や上咽頭の線毛上皮にはウイルスや細菌・花粉などの異物を後鼻漏により、流れをつけて咳や痰とともに体外に排出したり、胃に送り胃液とともに分解するために線毛が存在しています。

線毛は後鼻漏が適度でさらさらとした潤いある時には、異物をスムーズに流すことが出来るのですが、上咽頭炎や副鼻腔炎・外気の乾燥・体質的な乾燥によって、後鼻漏の質が粘り気を増した時には線毛に粘り気のある後鼻漏がからみつきます。

鼻腔は気道が狭く鼻をかむことにより内圧を強めることで、粘り気のある後鼻漏を動かす事ができますが、上咽頭はそのような事はできません。

その事が粘り気のある後鼻漏を上咽頭に長時間へばりつかせて、「のどの奥におもちのようなものがへばりついている」ような、不快感を引き起こす事になります。

漢方薬での対応方法

鼻の奥(上咽頭)に後鼻漏がへばりつく感覚を治すためには、後鼻漏の粘りの強さを改善する必要があります。

慢性上咽頭炎や慢性副鼻腔炎がある場合は、それらの炎症を治療しない事には後鼻漏の粘りを解消する事が難しいので、まずはそちらを治療する必要があります。

しかし現実にはそれらの炎症がないのに、鼻の奥(上咽頭)に後鼻漏がへばりついて不快だと言われている方も少なくはありません。

そんな場合でも漢方的に肺陰虚や胃陰虚という状態になっている方には、その不快症状を改善する事は可能です。

陰虚とは

陰虚とは陰液(津液・血・精)の不足であるが、すでに述べたように程度の差があり、津虚と陰虚に分けられる。ただし、一般には両者を陰虚と表現する。急性熱病・慢性炎症・自律神経系興奮などの熱証によって発生することが多い。津虚とは津液の不足(脱水)に相当し、口渇、多飲が特徴で、あきらかな熱証を呈すことは少ない、肺・胃の陰虚を呈することが多い。

『漢方処方の構成と適用』

このように肺と胃の陰虚は津液の不足の状態を指し、特に鼻腔内や口腔内・咽喉などの乾燥感や後鼻漏の粘りを強めます。

肺陰虚と胃陰虚の原因はかぜ・インフルエンザ・コロナなどの感染症からの慢性炎症・精神的なストレスが続き自律神経系の興奮状態が続いた時・味の濃いものや辛いものの食べ過ぎ・老化などです。

滋陰薬は津液を補う事によって、気道粘膜を滋潤して分泌を高める事によって、後鼻漏の粘りを改善して、鼻奥(上咽頭)でのへばりつきを解消します。

滋陰薬である麦門冬・天門冬・五味子・栝楼根・人参などの入った麦門冬湯・生脈散(麦味参顆粒)・竹葉石膏湯・辛夷清肺湯・滋陰降火湯・柴胡清肝湯などの漢方薬を体質と後鼻漏の状態によって使用します。

耳鼻咽喉科でBスポット療法や薬物で治療しても、後鼻漏が鼻の奥(上咽頭)にへばりついて不快な方は漢方薬が症状が改善する事が多いですので、漢方の専門家にご相談ください。