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なぜ祛風湿薬は痛みにも痒みにも効くのか?

2016年09月09日

最近、ブログのアクセス数が少しではあるが増えてきましたので、こんな未熟な漢方談義でも、もしかして毎日見てくれている方もいるのかと思い、ちょっとうれしくなりブログを思いつくまま更新します。。

祛風湿薬はなぜ痒みにも痛みにも効果があるのか?という事を考察

(得意の「思いつき押し通し理論」で書きます)

祛風湿薬は全てではないが、味が辛い場合が多い。

辛味は発散性があり痛みや痒みを飛ばす。

(この飛ばすがという感覚が重要ね!!)

辛味のある物は肺に入り、その痛みや痒みは有効なのは肺系統にある場合であり、この場合の肺系統を指すのは主に皮毛であり、想像しやすく記載すると、肌の表面の場合にのみ有効である。(中医学的には三焦の浅い部分にも作用するので正確にいうと肌と肌の間や肌と肉の間の空間にも作用するのであるが・・・それと祛風湿のみの作用に関しての話である)

よって臓腑が痛む場合には無効である場合が多い。

その作用を少しだけ細かく考えてみると、気を主る臓器の肺の粛降運動が関係しているのである。

激辛の物を食べると汗が出ますよね。。

あの感じですよ。。。辛味が肺の粛降運動を活発にして気の巡りを良くするからである。

気が巡れば、血や津液も巡る。(でもあくまでも気が主体ね)

そのようにして痛みや痒みを飛ばすのである。。。

祛風湿薬が痛みや痒みに作用するのは上記のような現象で作用するのである。

祛風湿=風邪や湿邪を去るというのは、辛味のある物を摂取することにより肺の気の動きを活発にして滞っている湿邪を押し出し、侵入していくる風邪を押し返すようなイメージであると私は考える。

よって祛風湿薬は風邪や湿邪が原因である痒みや痛みも飛ばしてしまい両方に効くのである。

あっさりと結論に到達してしまいましたが、もう少し続けます。

気が主体の痛みや痒みにのみ有効であって例えば、主体が津液が凝縮して痰になりそれが滞っている場合や、血液がなんらかの原因で瘀血になっている場合も無効である。

温病でいう羽のごとしてやつですよね。。

まあ、純粋な陰や陽なんかこの世に存在しないように、純粋な気の滞りのみの痛みや痒みもまた存在しないのである。気が主体ではあるがそれが生じて数秒後には血も津液も影響を受けてしまうのである。

前回のブログに記載した疎経活血湯には祛風湿薬以外にも活血薬や行気薬や滲湿薬が配合されているのもその為である。

祛風湿薬のみで取れる痛みや痒みなんて人間が痛いや痒いと感じれるレベルではないかもしれませんね?

(超敏感体質で隣の部屋の人の臭いを壁ごしで感じれるぐらいの人ならあるかも?)

しかし、中医学の凄い所はどんどんトッピングしていく所でしょうね。

冷えて痛い人には温める生薬を患部に熱を持っている方には冷やす生薬を、水や痰を蓄えやすい人には除去する生薬を血が滞っている人には血を巡らす生薬をみたいな感じですね。。。。

 この生薬はそれぞれ特有の味(一つの生薬に一つの味ではない)や寒熱の組みあわせをもっており、またその生薬達を組み合わせて、どこの臓腑に作用させ、ここは温めたり、ここは冷やしたり、または基礎物質を補ったり、通りをよくしたり塞いだりなどして、その人の身体の偏りを整えるのが方剤の醍醐味であると思います。。。

 

最後に余談ではあるが、巷で咳止めを規定量の何倍もの量を一気に摂取する方がいますよね、あの中には強力に肺の気を動かす麻黄の濃縮成分が入っているのです。

それを多量に一気に摂取すると、肺の気がありえない程に活発に働き、軽く意識も飛ばし高揚感が訪れる、一種の肺が心を相侮している状態であると中医学的に考察してみた。。。

 以上、調子に乗って思いつくまま記事を書いたら、話があちこち飛びましたが、ブログを更新しておきます。