苦悩
2015年06月30日
うちのお店の超レギュラーメンバーのお客様なのだが、ここ何ヶ月も喉の違和感を訴え続け、2日1回は必ず自分にその問題をを相談される。。。
(色々検査を受けているが、現状は特に重篤な疾患は見つかっていない。)
そのお客様は以前に甲状腺癌を患って摘出手術を受けた事があるために、再発したのではないかと常に危惧されている。
そのお客様のかかりつけの医師から漢方薬(半夏厚朴湯・安中散・五苓散・八味地黄丸)を処方されている。
そのかかりつけの医師はすごく親切な方でお客様の話をよく聞とても親切にされているので、そのお客様は絶大な信頼をおいている。
その医師は舌の状態を見て、お客様は水が多い状態ですねと言われ上記の処方を出された。
しかしその医師は以前に自分がフェイスブックの記事に記載した、オーリングでお客様に合う漢方薬を決めたり、喉の違和感にこれが効くのですよと言って手首と足首に10円玉と1円玉を貼り付けた医師なので自分はあまり漢方の臨床家としての実力は認めていない。
しかし、そのお客様が絶大な信頼を置いているので自分は関係を壊したくないために、その医師の出している処方とは真剣に向き合わないようにして来た。
しかしお客様はあまりにも自分に喉の違和感の相談を持ちかけてくるのであまり介入したくはないが、一昨日と昨日にお客様の舌を見せて頂いた。
お客様の舌に水が溢れている事を示す苔は自分には見当たらない。。。。
むしろ全く苔がなく乾燥している。。。。
翌日にもう一度確かめる。。やはり苔がなく乾燥している。。。
津液を損傷していて腎もしくは脾に陰虚の可能性がある。
簡単に言うと体の熱を抑える能力や潤す能力が衰え、体の中に軽い炎症がおこっている。
⬛︎半夏厚朴湯
生薬 性質
半夏⇨ 温
厚朴⇨ 温
茯苓⇨ 平
紫蘇葉⇨温
生姜⇨ 温
⬛︎安中散
生薬 性質
肉桂⇨ 熱
高良姜⇨辛熱
小茴香⇨温
延胡索⇨温
牡蛎⇨ 涼
縮砂⇨ 温
甘草⇨ 平
⬛︎五苓散
生薬 性質
沢瀉⇨ 寒
猪苓⇨ 平
茯苓⇨ 平
蒼朮⇨ 温
(ツムラは白朮ではなく蒼朮を使用)
肉桂⇨ 熱
(八味地黄丸はお客様の判断により服用していないため記載せず)
上記の処方ではどー考えても性質が温に偏りすぎている、もし八味地黄丸も服用すればその中の附子と肉桂がさらに温性に偏らせる。。。
中医学的に考えなくても、体の中に熱が生じている状態にさらに熱を与えると、より温度は高くなり体内の水分は蒸されてさらに乾燥が進む。。そうすると喉の乾燥やイガイガ感につながり、ひどい場合は黄色い痰の咳もしくは空咳が出ることになる。
(極端にその状態が続くと癌に変異する可能性も否定できない)
喉の不快感がとれないのは、もしかしてこの医師が処方している漢方薬のせいじゃないのかと思い、昨日の帰宅時に気になりお客様に電話を入れて、それとなく伝えるがその医師の信頼感は絶大であまり受け入れてくれない。。
本日にお客様からまた悩みの電話があり、再びそれとなく伝えるが、嫌がられ自分との関係が少し崩れる。。
30台の小さな薬屋の若者と50台の大きな病院の医師ではどちらが信用できるかと考えれば誰でも後者の方だろう・・・・
実に難しい問題だ・・・・・・
今回ばかりは自分の診断能力が未熟で間違っていることを祈る!!
大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。