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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

漢方薬の処方はスナイパーの仕事に似てる・・

2015年06月30日

本日も朝から常連さんに競馬の話を聞かせられるが、、自分は全く興味がない。
ずーと頷いているが話の内容の10%も理解できていない。。。。。。。

昨年の事ですが、中医学&漢方を勉強し始めた頃に
お客様「ウチの女が足がパンパンにむくんでねん、なんとかしてくれ」
自分 「これ飲んで尿量が増えるようでしたら、もしかしたら改善するかもしれませんね。あと体を冷やすような冷たい飲みモノは控えてください。」
(その方は1日の尿量が極端に少ない)

五苓散と防已黄耆湯を5日分お渡しする。。

それから、徐々にその方は徐々に尿量が増え、足のむくみも改善していき1ヶ月半ぐらいで元の状態に戻ったらしく感謝された。

昨日、そのお客様が再び来店。。

お客様「今度はお腹に水が溜まってるねん。。なんとかしてくれ」
自分 「とりあえず病院で検査を受けた方が良いですよ」
お客様「わしも言うてんねんけどアイツ行かへんねん」
自分 「前と同じ処方を5日分だけお渡ししますけど、多分、水が溜まってる部位も違うし、この前のようにはいかないと思いますよ。」
自分 「今度、必ず本人をつれて来てください」
お客様「わかった。。」 

今になって思う事ですが無知ほど怖いモノはない。
前回は確実にビギナーズラックもええとこだった。

本人を観察して病状を本人から聞かない事には漢方薬を出す事は今の自分には、ほぼ不可能だ。

漢方薬の処方はどんなイメージが一番近いかと例えるとスナイパーかなと自分は愚考している。

スナイパーは遠くの標的を色々な状況を考慮をいれながら、しっかり標的を確認した上で弾を撃つ。
そして、弾を打った後に自分が描いた弾道と違う場合は、修正をした上で再び弾を撃つ事により精度を上げる。

簡単に言うと、中医学の基礎理論、方剤学、古典から学ぶ臨床例やその応用など膨大な情報量から患者様の過去や現在の状況を把握した上で漢方薬を処方する。

この事を弁証論治と言うのですが、自分のお師匠さん(勝手にこちらが思っているだけ)は相手があちこちの病院や漢方薬局で治らない難治性疾患の方なので2時間ぐらい時間かけるらしい。

その後の疲労感は半端ないらしい・・・・・

それでも一発でピントがあう事は難しいらしく7日から10日おきに相手の状況を確認しながら徐々にピントをあわしていくらしい。
 一度ピントがあったからといっても、その処方が不変ではなくその人の内部環境(感情や体調)外部環境(季節&職場環境&移住環境)が変わるためにその時にあわせ調整していくらしい。。。

だからこそ、西洋医学的なむくみには防已黄耆湯、風邪には葛根湯、腰痛には牛車腎気丸みたいな処方の仕方は効く事もあるだろうがど真ん中に的中する確立は極端に低くなる。。。

言ってみれば、標的の位置やその周りの環境をだいたいこんな感じやでと教えられて自分の目で確認せずに撃つような状況。

だから、患者さんの自覚症状にしっかり耳を傾けず舌の状態も確認せずに漢方薬を出された場合の効き目は極端に下がるどころかほぼ無効だと考えた方が良い。。。

て言う事で、自分が今一番見たい映画は「アメリカン・スナイパー」だ・・・・