白虎湯証は陽明(胃)病じゃないの?
2015年09月17日
陳 潮祖大先生曰く、白虎湯証は陽明(胃)病ではなく肺の病変らしい・・・・
その理由を5つあげておられる。。。
⑴《傷寒論》では白虎湯証はまず太陽病変にみられ、太陽病は発病の時点で表証を呈するものをまとめている。一方、肺は気を主り外合は皮毛で表を主るので、表証が加熱すると気分熱証になるのが自然の伝変規律である。
また方剤の名前から考えると、白虎は西方の神で内は肺に対応しているので、白虎湯には肺系気分を主治する湯剤という意味があり、気分熱盛を肺の病変に帰属させるのは張 仲景の意図と符合している。。。
⑵諸気はみな肺に属し、気が鬱すれば化熱する。白虎湯は気分熱盛の主方であり、この証を肺の病変に帰属させる方が病機がよく合致する。。。
⑶《温病条弁》で呉鞠通が白虎湯証を上焦篇・太陰温病に列しているのは、卓織をもってあえて旧幣を破ったものであり、本証を肺の病変とすることは呉鞠通の見解と一致する。
⑷白虎湯証は呼吸器系の伝染病に多くみられ、臨床的にも肺との関係が密接にある。
また、大青竜湯・小青竜加石膏湯・厚朴麻黄湯・越婢湯・越婢加半夏湯など治肺の処方に石膏が用いられているが、胃熱の処方に石膏が用いられる事が少ないことからも、白虎湯は清肺熱で清胃熱でないことの証明になる。
⑸衛気営血の伝変規律からみると、気分の熱病は少陽三焦を通じて陽明に順伝して裏に結するか、心営に内陥して気営両燔になるか。完全に営分に伝入するかのいずれかであり、気分証を肺の病変であるとすれば理解しやすい。。
今まで読んだ傷寒論の解説書の解釈が間違っていたって事・・・!?
結構衝撃・・・
大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。