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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

徐霊胎『医学源流論』の教えから

2016年03月30日

「病機を治療する場合、経絡臓腑を区別しなければならない。
内から起こった病は、臓腑によるものである。外から入ってきた病は、必ず経絡を侵す。
また症状によって、どこの病かをみて取ることもできる。
例えばセイ仲驚悸は心の病である。
泄瀉鼓張は胃腸の病である。
これは簡単にわかるものである。
また同じ寒熱という症状でも六経によって現れ方はそれぞれ異なる。
痛みも筋・骨・皮・肉ではそれぞれ異なる。
このほか臓腑の病が関節に現れたり、関節の病が臓腑に現れることもある。病の根源をしらずに、漫然と治療をおこなっていたのでは、寒熱のタイプや、痛み・痒みのタイプを見分けることができない。
すると病んでいる場所に何もせず病んでいない場所を攻撃するようなことをしてしまう。
これが『黄帝内経』のいう誅伐無過ということである。
このようなことをしていたのでは、もともと病を治らないばかりか、新たな病を生み出してしまう。
こうして医者によって新たな病が生み出されると、医者はその新たな病を治療することになる。
しかし病の根源はわからないままなので、また不適切な薬を服用させることになる。
治療をすればするほど、状況は悪化していくのである。
したがって病機を治療する場合には、必ず経絡臓腑を分け、さらに七情六淫がどのように作用しているのか知り、状況に適した薬をつかわなければならない。
古人は、これらのことをはっきりさせてから薬を使ったので、一服の薬で効果を得ることができたのである。
よって中医学を理解するものは、体質改善とか漠然とした言語で括るのではなく、長期的に飲めば効果が出るなどと戯言をはく医家は患者の病機の根源を掴んでいない言い訳である。
それだけに留まらず、生薬といっても薬物であることは変わらないので、不適切な薬を続けることは、新たな病機を医家が作る恐れもある。