虚証について(3)
2016年10月26日
漢方薬を飲む事によっても虚証は起こる。
例えば、アトピー性皮膚炎の患者の皮膚状態を見ると赤みと痒みが強く明らかに強い炎症が起こっている。
ある術者がアトピー性皮膚炎は、 見た目にかなり影響するので、かわいそうだと思い、早く症状を抑えて上げようと、黄連解毒湯などの清熱薬を処方する。
例えば、患者の胃は熱を持っているが脾は元々は陽虚になりやすい体質であり、さらに術者が診断した時期は脾の調子が良い時期であった。
そこで、術者は脾陽に配慮することなく処方を決定して、数ヶ月間清熱薬と滋陰薬主体の処方を飲ませた。
その結果、肌の状態は多少は改善はしたが、完治までとは程遠いので術者は再度診断したところ、脾腎陽虚を見つけ、附子と桂皮の入った方剤を加えて 症状を改善させた。
初診の段階で、患者の隠れた脾陽虚を見つけて処方に組み込んでおけば、附子や桂皮を使わなくても人参や生姜レベルで済んだかもしれない。
このようなケースは明らかに術者の漢方薬の投与によって作り出された虚証である。

大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。