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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

口の苦みに効果のある漢方薬

2023年11月29日

一時的な口の苦みは多くの方が経験した事があると思います

しかし世の中には何年もの間、口の苦みが消えないという方もおられ、とても深刻にお悩みになられています。

長期間、口の苦みがある方は、まずは病院でご相談されるのが良いでしょう。

特に身体に大きな異常はなく、現在内服中のお薬の副作用でもない場合は、漢方薬を飲む事によって口の苦みに効果がある事もあります。

口の苦みが起こる原因は熱

漢方で口の苦みを感じる場合は熱が原因です。

五臓六腑のどこかに熱が生じる事によって、口の苦みとして感じます。

口の苦みがおこりやすい証と、それに対応する漢方薬をご紹介いたします。

昔の医者は現代の医者ようにレントゲン・MRI・血液検査・尿検査などがありませんでしたので、すべて人間の感覚によって病気を把握する必要がありました。

よって医者は診たり・においをかいだり・患者の話を聴いたり・脈やお腹、皮膚や筋肉の状態をさわる事によって、病気の状態を決めていました。

その病気の状態の事を証と思ってもらうと良いでしょう。

そしてその証に対しての治療法の事を、治法と言いその治法に対して長い歴史の経験から効果のある漢方薬を選定して、書物や師弟間の口述によって受け継がれて今に至ります。

口の苦みがおこりやすい証

肝火上炎証(かんかじょうえんしょう)

肝火上炎証は長引く精神的なストレスで肝気が鬱結して火が生じて、火の性質は上に昇るので、気血が頭部に昇りやすくなる事によって口の苦みが起こります。

肝火上炎証の方が起こりやすい症状

  • 口の苦み
  • 頭痛やめまい
  • 目の充血
  • 耳鳴
  • 睡眠の質の低下
  • 血圧が高くなる
  • いらいらしやすい
  • のどが渇きやすい
  • 舌色は紅色で舌苔は黄色
  • 脈は弦数

治法は清肝瀉火になり、漢方薬は竜胆瀉肝湯が効果的です。

胃熱証(いねつしょう)

胃熱証は辛いもの・味の濃いものを欲望のおもむくままに食べていたり、ストレスがたまり胃に熱をもったり、かぜなどの感染症にかかり、邪気が胃に侵入して熱をもった時などに口の苦味が起こります。

胃熱証の方が起こりやすい症状

  • 口の苦味
  • 食べてもすぐにお腹が減る
  • のどが渇きやすく冷たい飲み物を好む
  • 胃の痛み・胃に熱をもった感じがおこる
  • 便秘または軟便
  • はぐきのはれ
  • 舌の色は赤く、舌苔は黄色
  • 脈は早く・力がある

治法は清熱瀉火になり、漢方薬は三黄瀉心湯や軟便傾向な方は半夏瀉心湯になります。

胃熱証に傷陰をかねて乾燥をかねる場合は竹葉石膏湯になります。

邪入少陽証(じゃにゅうしょうようしょう)

かぜなどの感染症をこじらせてしまったり、長期的にストレスを受ける事によって自律神経が乱れてしまった場合に、口の苦味が起こります。

  • 口が苦くのどに乾燥感がある
  • 頭痛やめまいがたまにおこる
  • 体温調整がうまくいかない
  • ストレスを感じると胸や脇がはって呼吸がしにくい
  • 胃腸の調子が悪い時が多く食事量にむらがある
  • 白苔もしくやや黄色の苔が薄く着色

治法は和解少陽で、漢方薬は小柴胡湯や柴胡桂枝湯などの柴胡剤が適応します。

以上が口の苦味がよく起こりやすい証候になりますが、他の証候でも口の苦味は起こりますので、お悩みの方は漢方の専門家にご相談すると良いでしょう。