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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

ホルモン補充療法(HRT)で改善されない更年期障害には漢方薬が効果的

2021年01月19日

Menopause

更年期障害でお悩みの方は多い

ミズホ薬店 山本です。

漢方相談をしていると、更年期障害からくる様々な症状でお悩みの方の相談も多いです。

症状がひどい方は病院でホルモン補充療法(HRT)を受ける方もいますが、中にはお悩みの症状がとりきれず漢方薬を飲む事で、日々のつらい症状を緩和させて生活される方もいます。

「漢方薬なんかで、つらい症状がとれるの?」と思う方もいると思いますが、その方にあった漢方薬を見つけ出す事ができれば、思った以上に症状は緩和されます。

更年期障害とは

更年期障害は、45歳〜55歳ぐらいの女性が老化にともなう卵巣機能の低下からくるホルモンバランスの乱れと、社会的、環境、個人の性格によるメンタルへのストレスでの自律神経失調を中心とした不定愁訴を主にする症候群です。

更年期障害をかんたんに言うと、老化と精神的ストレスのふたつによって体と心に色々な不快な症状が起きる病です。

症状は

  • ほてりやのぼせ
  • ホットフラッシュ
  • 冷え
  • 疲れやすい
  • 頭痛、めまい、肩こり、耳鳴り、まぶたがピクピクする
  • 寝付きが悪い、途中に何度も目が覚める、よく夢をみる、悪夢
  • 鬱っぽくなったり、すぐにイライラする
  • 下痢や軟便
  • 胃腸の不調

などの色々な症状の組み合わせが出ます。

そして、出る症状も人によって違い、日によって症状が変わったりもします。

皮膚病や副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性上咽頭炎も更年期障害と関係している人もいる

更年期障害の相談をしていて、皮膚病の痒疹や副鼻腔炎(蓄膿症)や慢性上咽頭炎なども訴えられる方も多いので、老化によるホルモンバランスの影響はこれらの病にも少なからず関わっていると私は考えています。

慢性上咽頭炎や副鼻腔炎(蓄膿症)の症状が、小青竜湯加石膏、葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯、荊芥連翹湯、排膿散及湯、鼻淵丸、銀翹散、小柴胡湯加桔梗石膏などの、鼻やのどのトラブルでよく使用される漢方薬がまったく効かずに、更年期障害をとらえた全体的な症状の改善をする事で、それらの症状も改善されることが多いからです。

更年期障害の漢方治療

更年期障害で悩んでいたのが、現代の私たちだけではありません。

昔の人も同じように不調を訴えて、漢方薬で治療を受けていたのです。

江戸時代には「血の道症」といわれ、当時の漢方医が治療してきました。

書籍を読んでいると、同じような症状が書かれており「時代が変われども同じような症状で悩まされていたのだな」と思わされます。

そして当時はホルモン補充療法(HRT)はおろか、ロキソニンやイブなどの鎮痛剤もない中で、漢方薬でも十分に改善ができていた症例が数多く書かれています。

漢方薬は更年期障害の症状緩和に、十分に頼りになる存在なのです。

更年期障害を漢方治療は、薬草を飲んで若返るとかような、いかがわしげなものではなく、体のゆがみを調整して無理なく老化させていく事を目的とします

漢方の古典の『黄帝内経』の上古天真論篇に、とても有名な文があります。

「帝いわく、人、年老いて子なき者は、材力付きたるか、はたまた天数然るか。岐伯いわく、女子は7歳にして腎気盛し、歯更り髪長ず。14歳にして天癸至り、任脈通じ、太衝の脈盛し、月事時を以って下る。故に子あり。21歳にして腎気平均す。故に真牙生じて長極まる。28歳にして筋骨堅く、髪の長極まり、身体盛壮なり。35歳にして陽明の脈衰え、面初めて焦れ、髪初めて堕つ。42歳にして陽明の脈上に衰え、面皆焦れ、髪初めて白し。49歳にして任脈虚し、太衝の脈衰少し、天癸竭き、地道通ぜず。故に形ついえて子なきなり。・・・」

当たり前の事ですけど、昔の女性も老化により衰えていって49歳ぐらいになったら月経が停止していたみたいですね。

『黄帝内経』は漢方治療の基礎理論を書いているので、後の時代に出てくる医者もこの本の理論を元に、治療法を発展させていきました。

そして、漢方の治療法方法は『黄帝内経』の陰陽応象論篇に書かれている事を、大きな柱にしています。

「皇帝曰く、陰陽なる者は天地の道なり、万物の綱紀、変化の父母、生殺の本始、神明の府なり。治病 必ず本に求む。・・・・」

何やらむずかしい事が書かれていますが、人の体と心の陰と陽のバランスを整えて病を治そうという事です。

更年期障害の症状改善は陰陽バランスの調整

更年期障害の原因として、老化と精神的なストレスの負荷のふたつをあげましたが、老化の影響の方がメインになってきます。

老化により陰陽バランスが崩れば、精神的なストレスの影響が体に対して出やすくなってくるのですが、さらに両親の病気や、介護、死別、子供の結婚など人生の中で変化の激しい時期の方も多く、精神的ストレス自体も大きいのです。

漢方では五臓六腑(肝・心・脾・肺・腎、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)の陰陽の調整をはかりますが、更年期障害の場合は最終的には肝・腎の陰陽調整をする場合が多いです。

更年期障害でよく使用される漢方薬

加味逍遥散・当帰芍薬・桂枝茯苓丸は、よく病院でも更年期障害に処方されるので有名です。

加味逍遥散の効能又は効果

体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、更年期障害、血の道症

ツムラ添付文書

当帰芍薬散の効能又は効果

筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症:貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、腎性腎炎、妊娠中の諸病(浮腫、習慣性流産、痔、腹痛)、脚気、半身不随、心臓弁膜症

ツムラ添付文書

桂枝茯苓丸の効能又は効果

体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のあるものの次の諸症:子宮並びにその付属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害(頭痛、めまい、のぼせ、肩こり等)、冷え性、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎

ツムラ添付文書

これらの漢方薬をネットで調べたり、病院で処方されて飲まれた方も多いと思います。もちろんこの3つの漢方薬は日本人の体質的に合う場合も多く素晴らしい効果を発揮します。

しかし残念ながら、全員がこれらの漢方薬にあてはまるわけではないので

  • 飲んでいても効果が感じられない
  • 少し効いているような気がするが、まだまだ症状が辛い
  • 逆に、漢方薬を飲んでから体が冷たり、だるい気がする
  • 逆に、胃腸の調子が悪いかも

漢方薬を飲んでいるが、このように感じている方も実は多いです。

ひどい場合は、漢方薬は副作用がないと信じているので、知らない間に調子が悪くなっている方もいます。

実はこの3つの漢方薬でさえも、きっちり体質にあわせて選ぶ事も難しかったりします。

さらに更年期障害によく使用する漢方薬はまだまだありますし、病院の保険範囲内では適用しない漢方薬が必要な方もいらっしゃいますので、なかなか自分に適した漢方薬探しは難しいのが、現実です。

まずは胃腸を整える必要がある方もいる

加味逍遥散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸を飲むとたまにお腹がゆるくなったり、胃が重く感じる方もいらっしゃいます。

加味逍遥散や当帰芍薬散には白朮や茯苓といった胃腸の調子を整える生薬が入っているのですが、なかには当帰や芍薬、川芎といった血に働く生薬が胃腸に負担がかかったり、加味逍遥散の牡丹皮や山梔子や桂枝茯苓丸の牡丹皮といった生薬がお腹を冷やしすぎてしまい、軟便や下痢になってしまう方もいます。

そのような場合は、胃腸のつまりが強い方は陳皮や半夏といった生薬で胃腸の動きを良くする事が必要であったり、冷えが強い方は乾姜や呉茱萸、附子といった生薬でお腹を温めてあげる必要があります。

もちろん一時的は不調であれば、まずはそれらをおこなって胃腸を整えた後に、これらの漢方薬を使用する場合もあります。

更年期障害のつらい症状の緩和は当店にご相談ください

更年期障害といっても、人によってお悩みの症状はさまざまですし、体質やその人のおかれている辛い状況も違います。

だから漢方の知識を持った人に相談して、漢方薬を飲みながら体調の変化をお互いに確認しながら、症状を改善していくのが良いです。

当店での漢方相談はまずは1週間分〜10日分の漢方薬を飲んでもらいながら、お客様からお話を聞くことによって、漢方薬がお客様にあっているのか、どのように作用をしていくのかを考えながら、お客様の体質のゆがみを整えていきます。

漢方薬での治療は、その方の体質とそのゆがみ、言いかえると陰陽のバランスを整えて、不快な症状がおこらないように無理なく老化をさせていく事です。

この漢方薬を飲むと若返るとか、白髪がなくなるとかの魔法の話がありますが、そのような事は起こりません。

ただし、陰陽のバランスの崩れから起こる不快な症状はなくしたり、軽減する事はできます。

不快な症状で日々お悩みの方の症状をなくし、前向きな気持ちで老化しながら過ごす生活のために漢方薬は効果的ですので、ご興味のある方は当店にご相談ください。

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