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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

こころの病気・メンタルの病気に漢方薬は効くのか?

2021年01月20日

心の病、メンタル疾患に漢方薬は効くのか?どのような効果を期待していいの?

こころの病気に漢方薬は期待できるの?

ミズホ薬店 山本です。

漢方相談をしていると、うつ病、睡眠障害、統合失調症、発達障害、パニック障害・不安障害などの相談はよくあります。

もちろん漢方薬はその方の体質にあえば、こころの病気にも効果を発揮します。

しかし、その効果とはどのようなものを期待して良いのでしょうか?

たまにいらっしゃるのが、漢方薬を2,3日飲んだだけで、鬱々(うつうつ)とした気分が爽快になり、悪かった睡眠状態もたちまちに改善するような事を期待している方です。

残念ながら、そのような奇跡的効果が起きるのはごくわずかです。

とはいっても漢方薬はその方が期待する効果があろうがなかろうが、きっちりと仕事はしてくれている事は間違いありません。

漢方薬がしてくれる事

五臓六腑の働きを整えて、気と血と水(津液)の流れを整える事です。

漢方の事を知らない人は

「なんじゃそれ?」

になりますよね。

まずは気の存在をおいておいて、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・三焦)と、血と水(津液)の量と流れをちょうど良くすると考えてもらうとイメージしやすいかと思います。

血は血の流れでイメージしやすいけど、水(津液)とは?

になる方が多いと思いますが、水(津液)は血(赤く色づいた液体)以外の体内に存在する液体と考えておきましょう。(汗・小便・唾液・痰などは想像しやすいですよね^_^)

こころの病気の原因は邪気である

漢方では、病の原因の事を邪気と表現します。

だから心の病気の原因も邪気なんですよね。

まるでオカルト漫画のような言葉ですが、気にしないでください。

言葉はあくまでもその時に起こっている現象の事を指し示すだけに使用するモノですので。

では邪気とはなんでしょうか?

①多種類の発病因子とそれによって人体が被る病理的損害を指す。正気と敵対する概念。(『素問』評熱病論篇)

②六淫である風・寒・暑・湿・燥・火と疫癘の気などの発病因子をいう。これらは外から人体に侵入するので、外邪ともいう。

『中医学基本用語辞典』東洋学術出版社

はい、こんなの読んでも全然意味わかりませんよね(苦笑。

気温や湿度、ウイルス、細菌や老化、食生活、肉体&精神的ストレスが邪気です。

そして邪気は人の血や水(津液)の流れを乱したり、詰ましたり、漏れさしたりします。

血や水(津液)は、人が元気よく生活する上で、色々な場所を栄養したり不要になったモノを回収したりするので、滞りなく流れているという事が必要です。

どうですか?

なんとなく、邪気が心の病気に関係してそうなイメージはできましたか?

文章で書かれても邪気がいまいちわからない

わかりました。ではお互いの体験から共有していきましょう。

まずは外からの邪気のひとつ

寒い日に、Tシャツ1枚で飛び出すと筋肉がこわばり、背中に寒気を感じたり、ひどい場合は体がブルブルふるえたり、お腹をこわしたりする事があるじゃないですか。

寒さをきっかけに、人の体に何かしらの悪影響を与える存在の事を邪気という言葉を使って表現してるだけなのです。

次は内からの邪気のひとつ

大嫌いな部長の顔を思い浮かべてみてください。別に課長でも良いです。

その部長に、絶対に自分が悪くないのに、たらたらと文句を言われている場面を想像してみてください。

胸のあたりがつまったり、呼吸がしにくくなったり、イライラしたりするでしょう。

それが邪気というものです。

それらの刺激は、すぐに大きな病気につながる事はありませんが、長い間そのような外や内からの邪気にさらされていると、体は反応し続けてしまうので、治りにくい病になります。

邪気は身近にあるもの

邪気とはべつに架空の存在ではなく。

実は、ごく身近にあります。

それを邪気と感じるか感じないかは、あなた次第です。

人によって邪気と感じるものも、ある人によっては元気の源であったりします。

邪気=悪者でないのが東洋思想で、同じ性質の邪気でもその人の体質やとらえ方によってプラスにもマイナスにもなったりします。

邪気が血や水(津液)の流れを止め病になる

寒空でTシャツ1枚で過ごしたり、嫌いな部長に文句をいわれていると、血や水(津液)のめぐりが悪くなるの想像するのは、難しくないと思います。

血や水(津液)のめぐりが悪ければ、あちこちの筋肉がこったり痛んだり、胃腸の調子が悪くなったりします。

そしてその筋肉や内臓の違和感を脳で感覚と意識して、痛みやいらいら、うつっぽい、落ちつかない、不安になるなどのこころの症状が出てきます。

そうするとさらに体がこわばって他の場所の、血や(津液)の流れが悪くなり、その場所の筋肉もこわばるという、連鎖反応が起きてしまいます。

そのようは連鎖反応を想像するだけでも、体調が悪くなってきますよね(苦笑。

はじまりはすごく小さい刺激だったのに、時間が経つにつれて大きな不調につながっていくのが、邪気が病を引き起こす仕組みです。

漢方薬の仕事はその流れを改善すること

長いあいだ我慢してきた人ほど、体のあちこちの流れは悪くなっているでしょう。

食生活が悪かったり、老化のせいで体が流す力も衰えているかもしれません。

もちろんあちこちの流れが悪ければ、こころに対する影響も大きくて、スッキリした気持ちで過ごす日も少ないと思います。

漢方ではこころの病気・メンタルの病気も流れを改善することにより治していく

うつ病、睡眠障害、統合失調症、発達障害、パニック障害・不安障害などで、もうすでに漢方薬を飲まれている方も多いと思います。

加味逍遥散・逍遥散・抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・柴胡竜骨牡蛎・柴胡桂枝乾姜湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・柴胡桂枝湯・大柴胡湯・半夏瀉心湯・加味帰脾湯・帰脾湯などの漢方薬を飲んでいる方は多いと思います。

もちろんこれらの漢方薬は軽く千年を超える歴史を持ち、さまざまな悩める人々を治してきました。

そして、これらの漢方薬は、それぞれが持つ仕事はきっちりしてくれています。

その仕事はさきほどの、流れが悪くなった血や水(津液)を良くする事です。漢方薬の違いによって、流す場所や強さ、または流し方が違うのです。

だから、その方の体質や状態によって合う漢方薬を選ぶ必要があります。

合う漢方薬を飲んでいれば、何かしら快適に感じると思いますが、あちこちで流れが悪くなっている場合は、なかなか効果を感じられない場合もあります。

だからこそ、それぞれの漢方薬の特性を熟知している人と一緒に体調の変化を確認していく必要があります。

あちこちの流れが悪くなって、症状が重い人ほど改善するのには時間がかかります。

最後はもう大丈夫と思える自信も大切

体質や状態にあった漢方薬を飲み、こころや体の状態が改善してきても、その人が苦手な状況下では、症状がぶり返したり、軽い症状が起こる事があります。

また「あの症状が起こったらどうしよう?」という不安感が起きます。

長いあいだに作られた体の反応は、すぐに変える事は難しいものです。

ただし、自分にある漢方薬を見つけれる事ができれば自信にもつながりますので、漢方薬を飲みながら「大丈夫」と思える自信を強めていく事が重要です。

こころの病気・メンタルの病気で悩まれている方は年々増えているように思えます。症状も人それぞれでつらさも人それぞれです。

そのお悩みの症状が、1,2ヶ月の漢方薬の内服ですべて治る事は難しいです。

その時に体調にあう漢方薬の飲みながら体調の改善を確認しながら、少しづつ大丈夫と思える自信を取り戻していくのが、こころの病気・メンタルの病気の漢方治療の現実です。