ある難治性疾患の方のお礼
2022年03月17日

本日にある難治性疾患の方からお礼のお言葉を頂いた。
今回のブログは、難しい病を漢方薬を使ってテクニカルに治したとかそんなブログではない。
どちらかというと、治せなかった自虐的なブログだ。
その方は標準治療はもとより日本国内の西〜東まで中医学・経方・第三医学、漢方薬だけでなく鍼灸や整体など色々な有名な治療院を治療を受けるも良くならず、苦痛のために仕事を退社する事になった。
はじめに漢方相談の依頼があった時は
- 尊敬する先輩たちが歯が立たない
- 遠方にお住まい
という事もあり、お断りをした。
それから半年後に、大阪に引っ越してきたので来店された。
そして「別に難治性疾患は治さなくても良く、体調を少し良くしてくれるだけで良い」という依頼だった。
目の前で苦痛を訴えているのに、あたりさわりのない漢方薬やサプリメントで場をつなぎお金をもらう事などできるはずもない。
今までの漢方薬の服薬歴から悪化のリスクが多いのはわかっているが、日々漢方の勉強を続けているのは、目の前に苦痛を訴える人のお悩みを軽減するためだ。
たとえリスクを伴おうとも、その苦痛を和らげる治療をする。
1週間おきに、当店に通う事1年。
著名な先輩方が歯が立たないのだから、私なんぞの技術では歯が立つわけもなく、神経を使って漢方薬を選ぶも無効、もしくは悪化するのみ。
ただ私ができた事はとても敏感に漢方薬に反応する体質なのだが、何がダメで何が良いという事を整理して共有する事だった。
うまくいかない治療では、摩擦が起こるのが常。
お互い感情のある人間だから仕方がない。
そんな摩擦もありながらも、1年ぐらい経過した頃。
その方の病は完治してはいないのだが、奮起して関東で就職を決めて引っ越していった。
その後も漢方薬は送っていたのだが、そこそこ有名な企業に面接を受けて、ステップアップするとの事。
その就活を終えた本日に、彼からお礼のお言葉を頂いた。
「間違えなくここまで来れたのは、先生のおかげですと」
お世辞でもうれしいじゃないか、ホントに私は何もできていないのに。
むしろ途中で、私の方がムッとして関係が悪くなった時もあったが、なんだかんだでついてきてくれた事に感謝。
これから先にも、いくら技術を磨き経験をつもうとも、完治させる事ができない病を受ける機会はあると思う。
完治させる事が一番なのだが、できなくともせめて前を向いていける機会づくりをしていきたいと思った症例である。
漢方相談は病を治し人を救う事をしているように思えるが、救われるのは逆にこちらの方かもしれない。
ありがとう。

大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。