葛根湯について
2016年11月28日
本日は葛根湯のお勉強なり・・・
葛根湯は風寒邪に侵襲されておこる肩や首の凝りに著効を示す方剤であるが・・・・
今回考察したいのは
葛根湯の主薬である葛根には生津作用があるかどうかの審議である。
《本経疏証》では
葛根の効果は、栝楼根の陰津を滋養する作用と升麻の昇陽する作用の両者を兼ね備えたものであると記載されてある。
そして多くの金匱要略注釈家は
痙湿喝病治第二
太陽病、無汗而小便反少、気上冲胸、口噤不得語、欲作剛痙、葛根湯主
この文面で内の主薬である葛根は陰津を滋養して筋肉の痙攣を治癒させると解釈している。
しかし、『中医治法方剤』の中で陳潮祖先生はこの件に関して意義を唱えております。
陳潮祖先生曰く、葛根湯内の葛根の役割は経脈の拘急を解く作用であり、陰津を滋養するものではないと謂われております。
その否定理由として
①表証初期はまだ化熱していないのに、津液は減少するわけないじゃろが。。。
②葛根湯は発汗剤やのに、津液が減少しているものに、なんでわざわざ津液を減少させるような方意をとるのじゃ。。。。
③葛根湯は風寒邪が侵襲した下痢も治すが、これは三焦の津気が風寒邪を受け、津気の昇降失調を起こして、その奥の胃腸に入った為である、これも津液の受損ではないじゃろ。。。
これの理由をもって、葛根は生津作用ではなく経脈拘急を解く作用である。
前人は西洋医学的な薬理実験によって出た解痙作用を捨て、勝手に推理した事を信じおるが、到底わしには信じられんわ。。。
そして、もし一歩譲って津液の減少が元来、患者にあったとしても、津液を補う作用は白勺・甘草・大棗の方意にあるのじゃ。。。
傷寒論の芍薬甘草湯の条文を読んでみーーー!!
(これは私が勝手に付け加えました・・・・)
『中薬大辞典』を見てみると。
葛根
⇒昇陽解肌・透疹止瀉・除煩止渇。治傷寒・温熱実痛項強・煩熱消渇・泄瀉・疾痢・癥疹不透・高血圧・心絞痛
んんんんーーー確かに滋陰作用的なやつはないですな。。。
次回は初学者の私なりの考察を書きたいと思います。。
続く・・・・・
大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。