電話番号 06-6631-2117

【営業時間】平日9時〜20時 土日9時〜18時

【住所】大阪市浪速区恵美須西3−2-11(動物園前駅徒歩5分)

メールでお問いあわせ

漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

葛根湯について(2)

2016年12月01日

相変わらず、お店は儲かっていないですが、何かと忙しい毎日です。。。。
前回ブログの続きを記載します。

葛根に生津液の作用があるかどうかの件ですが

前回のは

『中薬大辞典』を見てみると。
葛根
⇒昇陽解肌・透疹止瀉・除煩止渇。治傷寒・温熱実痛項強煩熱消渇・泄瀉・疾痢・癥疹不透・高血圧・心絞痛 

までいきましたね。。。

生津的な文字はないが除煩止喝や煩熱消渇、温熱実痛項強などはなんとなく生津作用を伺わせるようなニオイがします。。。

そして葛根の帰経は
《中薬大辞典》入脾・胃経
 《張元素》通行足陽明経
《本草新編》入胃又は肺経
《本草求真》入胃、兼入脾
《要薬分剤》入胃、膀胱二経、兼入脾経

んーーーー。。。脾胃系統に入るは間違いなさそうですね。。。

なぜ古人は生津作用があるように思えたのかが、重要だと思います。
患者に与えて口渇の症状や肌肉の強張りが改善したからでしょう。

ここからは、私の得意なこじつけ的理論で押し進みます。

まず重要なのは脾胃系統は肌肉を主ることで、その潤いは直接的には同じ脾胃系統の『水穀の海』である胃の豊富な津液の海から供給されていると考える。
(しかし五臓は必ず連携しているので、その胃の津液も他の臓腑の連携活動によって供給されている。)

 そして葛根が下痢にも使用されるのは昇陽作用があるからで、この作用が鍵を握っているように思えます。

そして葛根湯証の首や肩が凝り固まった状態。。。
(陳潮祖先生の熱化していないのに傷津するわけがない・・・を採用して考えます)

風寒邪が人間の一番の発熱源の太陽膀胱経を侵襲する事により衛気の流通を阻害し、その影響により衛気の循環が悪くなることにより、寒気を感じる症状や首や肩の凝りを感じる状況が起こります。(この場合の衛気は気と津液・津気を含む)

当然にその風寒邪に侵襲された状態が長時間であったり、短時間であっても猛烈であった場合は営分まで侵襲す場合は血分まで影響を及ぼす事になります。

まあ、そんな事もあるやろなーと、張仲景大先生は見越しており
葛根湯の中、もっと言えば桂枝湯の中には白芍もキチーン入れられております。

葛根湯証の首や肩の強張りは津液や津気障害が割合が多い状態で、その津液の障害を解く事が重要であるり、てっとり早いのが、津液が大量に貯蓄されてある、胃の津液を使う方法です。

ここで葛根がその昇陽作用により、胃の津液を上部の咽喉や表部の肌肉まで運んでくれるのです。
(これが葛根の帰経が脾胃である理由。)

生津作用に思える、口渇の改善や解痙作用も結局は昇陽作用(津液の移動)内で起こった二次的な作用であり。葛根がやってくれるお仕事は昇陽作用につきるのではないかと私は考えます。
そのように昇陽作用を解釈すれば『中医大辞典』に記載されてある、様々な効能の納得いくのではないでしょうか?

この作用により口渇や肌肉の凝りが改善したので古人の中には生津作用があると思った人がいるのだと思います。

しかし、葛根の作用があくまでも、津液の移動であって、津液そのものを生むわけではないと私は考えます。 

 よって、胃陰虚が在る方は葛根によって津液を絞り出されるので、単独で葛根のみを長期的に服用すると危険なのではとも思います。
(直接的に陰を養う生薬を必ず一緒にに配合しなければならない・・・)

 
最後、昇陽作用の文字は陽となっているのに、陰であるはずの津液は上昇しないよと思われる方もいらっしゃりそうなですが、、、、

ここは陰と陽の基本中の基本でこいつらは相交えているのが陰陽であるので、陽気が昇れば当然に陰である津液もついていくのです。

また、思いつきのまま初学者なりの考察を好き勝手に書かしてもらいました。。