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漢方薬で不快な症状のない生活に 漢方薬で不快な症状のない生活に

痰のからみについて

2017年02月12日

最近、気温が低下して感冒にかかり、その後に咳嗽や痰の症状を訴える方が多い。。

今日もお客様が痰のきりを良くしてくれる漢方薬を出してくれると聞いてきたんですけどと来店される。

舌を出してもらい確認すると、乾燥気味の黄色苔がある。。

タバコやコーヒーを今朝に飲んだどうか尋ねると、コーヒーを飲んだらしい。

そうなる舌苔の色はあてにならないので、問診する事になるのだが、重要なのは現在の状態になる前に温病の衛分証か気分証なのか傷寒の太陽病か陽明病にかかったのかであるが、お客様に症状を伺うとあまり具体的に覚えている方は少ない。。。
(たまにもう少し深いパターンありますが。。。)

当然の事であると思う、細かく記憶している方はよほど神経質な方か自分の身体を細かくチェックしている人ぐらいであろう。

以前は麦門冬湯内の温性の人参や半夏が気になり、滋陰降火湯を出すことが多かったが、最近は舌質に裂紋が多少なりともある場合は人参を入れた方が効果も早いし、辛散の半夏は乾燥させるだけでなく、滞留している津液を巡らすので逆に潤う場合もあるので、麦門冬湯の方がより早く効果がでる場合がある。(麦門冬に対して半夏の割合を半分以下に設定するのがポイント)

乾燥が酷い場合は麦門冬と半夏の比率をさらに麦門冬よりするために、滋陰降火湯を少量加える。
(当然、張仲景先生は患者の様子を見ながら麦門冬内の麦門冬と半夏の割合を加減していたと思われるが・・・)

これもまさに、陰中の陽であり、陰陽の理である。

気分証や陽明病にかかり、乾燥に痛みを残す場合には麦門冬湯に辛夷清肺湯を加えるか、竹葉石膏湯で対応すれば症状が早くに軽減される。
(痛みを残す程度というのがポイントである。。)

麦門冬湯に半夏、人参を入れる事を考えた方はやはり凄い方だと思う。  

人間の心身の理を勉強するにつれ
経方の方剤構成の鮮やかさに舌をまくのである。