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ジベル薔薇色粃糠疹に漢方薬が奏効

2017年04月07日

2ヶ月前ぐらいであるが、私の娘が背中の何箇所と左腕の皮膚に癬状のものができ、妻から見てくれと頼まれた。

俺、皮膚科ちゃうから見ても、何が原因かわからんとあまり真剣に考えずに軽く対応した。
(中医学的には弁証はできるのであるが、頭を結構使わなあかんので面倒くさかったのもある・・・)

娘は基本的に健康体であるので、すぐ治るやろぐらいに思ってたわけであるが。

それから数週間後、まだ治ってないから見てくれと言われたので、また患部を見ると、広がっているような気がするので、とりあえず皮膚科に行くように促す。
(妻が至急連れていかなさそうなので、尋常性乾癬の写真を見せて少々脅したが・・・)

漢方薬で治すのも良いが、やはりまずは標準医療である西洋医学的な診断をしてもらい、重篤なモノが隠れていないかを専門家に見てもらうのが一番である。

西洋医学は皮膚科、眼科、耳鼻科。肛門科などというようにかなり分科進んでおり、当然に皮膚科医であれば1日何名もの皮膚疾患を見るので、西洋医学的な皮膚疾患の診断と臨床にかけては、圧倒的に私などの中医学初学者とは比べものにならないぐらい優れているのである。

そして診断の結果が

ジベル薔薇色粃糠疹・・・・

えらいオシャレな病名やん!!

そして治法が抗炎症、保湿の軟膏である。

私の印象では西洋医学の皮膚科は病気の種類はひたすら多いが、治法は抗炎症(ステロイドの有無や強弱)抗菌(菌やウィルスの種類による使い分け)保湿・血行促進等とあまり治療法に幅がないようなイメージである。
まさしく異病同治の世界である?。。。

病名と治療法を確認してからはいつも通り私へのバトンタッチになる。
(診断だけしてもらい西洋薬は使わない・急性の症候が出た時の抑えとする)

西洋医学を批判しているわけではないが、また同じような治療法で芸がないなと思いながら、患部への炎症を抑えるような治療ではなく、五臓六腑を調えて治療した方が後々に変な病機に繋がる事を防ぐからである。

それにこのような疾患の癬のような状態の皮膚疾患は私の治療経験はないし、難病である尋常性乾癬などを治療する時に役に立つと思ったからである。

ジベルばら色粃糠疹

(発症当時の写真を取っていなかったのでネットから拾いました。)
こんなやつ、赤みがあり表面は乾燥して落屑が付着している状態で娘の左腕にやや大きめのモノがあり、背中のあちこちに小さめのものが点在している状況でした。

娘のなりやすい証は、今まで色々な病機を治療しているのと一緒に過ごしているので、ほぼ把握しているので軽い問診と舌診と脈診のみで治療に移れる。

皮膚の所見と舌の状態はそれほど相違はなく特殊な事はなさそうなので、ストレートに考え。
奥の方の血熱を冷ましながら、流れを促進して、熱により虧損した血分の津液を補いながら、血分が広がった三焦内の熱を瀉しながら、尿道から排出しつつも、治癒効果を早める為に皮膚の腠理からもその熱の排出を促し、一応、変な菌に感染している可能性や二次感染を起こす可能性は否定できないので解毒し、皮膚表面を潤す。

こんな感じのイメージを中医学的には
涼血活血清熱解毒透表滋陰潤燥補血な感じになる。

乾地黄・玄参・牡丹皮で涼血活血し三焦内の熱を山梔子・黄芩・黄連・黄柏で冷ましながら尿道から排出し、金銀花・連翹で解毒し柴胡、薄荷・連翹で透表し麦門冬・乾地黄・熟地黄・当帰で滋陰補血し桔梗で肺系統の気機の流通を促し、枳実で脾胃系統の気機の流通を高める。

そして自分がイメージした治法に、欲しい生薬ができるだけ入っている方剤を組み合わせる事で完了である。

そして飲ます事5日後・・・・

広がってはいないが若干ましになっているかな?という程度
大雑把に見れば、あんまり変わらず・・・・
(くっそ!!もっと早く動くと思ったのに・・・・)

嫁に皮膚科の先生が「どれぐらいで治る」と言っていたかと尋ねると「2ヶ月ぐらいかかる」と言っていたよと返答がある。
「早く言えよ」と言うと「言った」とやや機嫌が悪そうな返答がある。。。。

2ヶ月か・・・危うく焦ってもっと生薬数を増やしかけたわ。。。

生薬数を増やす事なく12日ぐらい?飲ましていると患部の赤み、落屑は減少し、患部の他の皮膚の厚みが他の部位と均等に近づくような兆しが見えたので、治法は間違っていない事に確信を持つ。

それから一週間後の写真・・・

ジベルばら色粃糠疹の皮膚

若干の赤みと軽く落屑状態を残し、後一歩というところ。。。

それから一週間後の写真・・・・

ジベルばら色粃糠疹の皮膚 治療後

かすかに痕跡を残すがほぼ治癒したと言って良い状況である。

念のため、もう少しの間は漢方薬を飲ませた方が良いであろう。

ほんま、色々と勉強になる事がよー起こるわ!!

*追記

この記事を書いた1年後に、娘に再びジベルばら色粃糠疹が発症しました。

その時に書いた記事を、添付しておきます。