ジベルばら色粃糠疹を漢方薬で治療(2)
2018年03月09日
昨年のこの季節に娘の背中の皮膚に異常が出始めた。
そう、ジベルばら色粃糠疹という病名のモノである。
そして今年もまた皮膚に異常があらわれたのである。
娘が「かゆーい!!」と訴えるので患部を見てみると、軽い炎症に落屑を伴ったモノができ始めている。
昨年同様の状態なのでジベルばら色粃糠疹である。
西洋医学的にはヒトヘルペスウイルスのが原因である可能性が指摘されていますが、漢方的には生体の虚実と外邪の判別をして気機の流通を正常に戻してあげれば、ウイルスであろうとなかろうと悪化を防止し治癒する事は可能である。
娘の病理を簡単に短くまとめると本来の火旺の体質に、身体の成長が追いついていない。
成長しようとする力を陽だとすると、実際の体は陰であり、成長しようとする陽の力に比べ、実際の肉体成長が追いついていない為に陽が有余する。
バランスを取る為に陰を取り入れようと、食欲が増し食べる量も増えるが、本人の嗜好が味の濃いものや油モノを好むという事、またそれを多量に食する事で火旺体質にさらに火の元を提供するという悪循環まで起こしている。
⇒このあたりがジベルばら色粃糠疹の罹患者に、年齢の若い人が多いのではないかという事が考察ができます。また味が濃厚で、高カロリーな食品を手軽に摂取できるという現代的事情も相まっており、延長線上には尋常性乾癬もあると考える。
患部の炎症を伴う落屑は身体の奥(血分)の熱が追い出されるように起こっており、舌診をすると舌質は紅で舌尖部から中腹部にかけて紅点が顕著に存在し、舌苔はやや厚めで白色を呈しており、皮膚の状態と大きなズレはない。
よって治法は根本は昨年同様に滋陰涼血で良い。
軽症であるので乾地黄や牡丹皮の類で滋陰涼血すれば治癒するが、早くに治癒の効果を求めるならば血分から腠理への熱の排出を助ける為に連翹を使用し、薄荷、柴胡で補佐をする。患部の落屑に対しては四物湯で補血活血し、熱が血分から気分で悪さをさせない為に、黄連解毒湯を適量加える。
さらに慎重を期す為に、川芎、当帰の血分への熱の弊害を考慮しながら、牡丹皮、乾燥地黄との比率を設定する。
この効果を実現させるために、エキス剤の清肺治喘丸+荊芥連翹湯とする。
より治癒効果を高めたり、寒熱のバランスを取るのに板藍根や雲南片玉金を使用すると良い。
*もちろん西洋医学的な見解のヒトヘルペスウイルスに対する抗ウイルス作用と涼血作用も兼ね備えた板藍根を選薬している。
荊芥連翹湯の効能には慢性鼻炎、慢性扁桃炎、蓄膿症(副鼻腔炎)、にきびと頭部の症状が記載されているが、これは体の上部の熱を清熱、透表させる効果があるからである。
それだけでなく、頭部の湿疹やフケ症にも使用できるが、忘れてはならないのは下から上の動きだけなく、裏から表の動きもあるという事である。
私はまだ一貫堂医学については勉強していないが、この方剤のイメージは内疏黄連湯《素問病机先保集》からである。
内疏黄連湯
黄連・黄芩・山梔子・連翹・薄荷・桔梗・甘草・当帰・木香・檳榔子・大黄で構成されている。
病の熱量、熱の場所、傷陰などの具合で対応する生薬をさじ加減すれば良い。
荊芥連翹湯は檳榔子や大黄は入っていない分、やや虚弱な小児や老人にも使用できる場合も多い。

大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。