慢性上咽頭炎でお悩みの方が漢方薬で治った3つの症例
2024年01月19日

Bスポット療法で慢性上咽頭炎を治療しても治らなかった方が、漢方薬によって治った症例をご紹介いたします。
漢方では慢性上咽頭炎だからこの漢方薬と病名で決めずに、慢性上咽頭炎の病態とその方の体質にあわせて漢方薬を決定します。
どのように慢性上咽頭炎が漢方薬によって治っていくのかという事をイメージするのに、参考にして頂ければと思います。
疲れると上咽頭がヒリヒリして頭痛が漢方薬で治った症例
・発症した原因と症状
昔から副鼻腔炎になりやすい体質の方で、5,6年前にかぜをひいた後に疲れると上咽頭がヒリヒリとして頭痛が起こるという症状が出始めたとの事で、病院で慢性上咽頭炎と診断されました。
そしてBスポット療法を週に1回ペースで2年ほど受けるも、症状は改善しなかったとの事。
・病態
副鼻腔炎になりやすい方は副鼻腔だけでなく上咽頭・扁桃も炎症が起きやすい傾向にあります。
また疲れた時に上咽頭にヒリヒリとした痛みと一緒に頭痛がおこる事から、上咽頭の炎症に加えて肺・脾の気虚が考えられます。
このような病態の時には、上咽頭の炎症をとるのに冷やす力が強い石膏や黄芩・黄連などの入った漢方薬を使用すると胃腸に負担がかかり、逆に症状が悪くなる可能性がありますので注意が必要です。
・漢方薬の効果と治療期間
よって補中益気湯で肺・脾の気を補い、荊防敗毒散で上咽頭の炎症を鎮める事にしました。
2週間飲むと上咽頭のヒリヒリした痛みと頭痛は軽減しはじめて、3ヶ月経つ頃には症状がほとんど気にならなくなってきたので漢方薬を減薬していき、5ヶ月後には漢方薬を飲まなくても症状が出なくなりました。
のどの奥に硬い痰がはりつく症状が漢方薬で治った症例
・発症した原因と症状
2年前にコロナに感染して38度後半の発熱と強いのどの痛みが出た後に、上咽頭に硬い痰がへばりつき、その痰がとれる時に血が出るとの事で、遠方にお住まいのためZOOMでご相談いたしました。
病院で慢性上咽頭炎と診断されてBスポット療法には1年半通うも、症状が改善している感じがしないとの事。
・病態
コロナの感染時の症状から温病(うんびょう)の風熱邪(ふうねつ)にやられた事は明らかです。
風熱邪はうまく治療しないと傷陰(しょういん)して身体の潤いを奪ってしまい、上咽頭・副鼻腔・口腔内の粘膜が乾燥して、痛みや後鼻漏・痰がへばりつくなどの不快症状が出現します。
このような病態の時には、実熱(じつねつ)と虚熱(きょねつ)・脾胃の虚実(きょじつ)を考えながら治療していく必要があります。
・漢方薬の効果と治療期間
相談者の訴えでは上咽頭や口内の乾燥感が強く、冬でも冷たい飲み物がおいしく感じて飲む量も多い事から、実熱の割合が多く、胃腸の弱さもあまり感じられませんでしたので、竹葉石膏湯を飲んでもらう事にしました。
はじめの1ヶ月間はほとんど症状が動きませんでしたが、相談者は根気よく竹葉石膏湯を続けてくれ、飲み始めて1ヶ月半経つころには硬い痰のはりつきが軽減して、痰がはがれる時に出血する事がなくなりました。3ヶ月経つ頃には硬い痰がへばりつ事もなくなり不快な症状はなくなりました。
コロナワクチン接種後に起きた口内にあふれ出る後鼻漏が漢方薬で治った症例
・発症した原因と症状
半年前にコロナワクチン接種後、さらさらした後鼻漏が常に口内にあふれてとても不快との事でご相談に来られました。
病院で慢性上咽頭炎と診断されて、Bスポット療法を半年間受けて上咽頭の炎症はなくなるものの、口内にあふれる後鼻漏は変わらずとの事。
・病態
体型はぽっちゃりでやわらかな印象で冷えや、舌苔が白色の厚い苔が多く付着している所見がありましたので、後鼻漏の原因はワクチンの接種後の弱りから元来貯め込んでいた痰飲が暴走したと考えました。
・漢方薬の効果と治療期間
まずは肺・腎を賦活させて痰飲を除こうと小青竜湯や麻黄附子細辛湯を飲んでもらいましたが、まったく効果がありませんでした。
考えていたより肺気虚(はいききょ)の存在があると考えて、黄耆の入った麗沢通気湯加辛夷に漢方薬を変更しました。
2週間たつころに少しだけ後鼻漏が口内にあふれ出る事がない時間が出始めたので、そのまま継続してもらう事6ヶ月。後鼻漏の量は少しづつ減少していき、口内にはさらさらした後鼻漏があふれる事はなくなりましたので、漢方薬の服薬は終了しました。

大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。