口やのど・鼻の中の乾燥の種類について【温燥と涼燥】
2022年01月12日
口や鼻の中が乾燥するといっても、熱によって乾燥するタイプと冷えによって乾燥するタイプがあります。
どちらも口や鼻、のどに違和感があり続くと不快ですが、漢方薬で治療する場合には、自分がどちらのタイプなのかを把握して治療しない事には、不快な症状は改善していきません。
温燥
季節要因でおこる場合は、秋のはじまりにおこる事が多い。
気温が高く、湿度が下がり乾燥傾向になるとおこる。
症状
痰の量は少なく吐き出すと粘っこい、痰がのどにへばりいて吐き出しにくい。
口内や鼻の奥、舌、くちびるは乾燥傾向。
症状が全身におよぶ場合は
発熱、かるく寒気がある、乾燥したせき、鼻づまり・のどの痛み、のど腫れ、頭痛・目の乾燥。
舌の状態
舌苔が少なめで乾燥、舌先の赤みや舌苔がうすく黄色くなる事もある。
使用方剤
桑杏湯『温病条弁』
桑葉・杏仁・香豉・梔皮・象貝、沙参、梨皮
対策
温燥は、冬に暖房のきいた場所で働く現代人がかかりやすい状態である。
温燥を防ぐには、部屋を乾燥させないように加湿器などを使用する。
声を出すお仕事でのどをよく使う方は、こまめに水分を補給したりのどアメをなめるのが良い。
涼燥
季節要因でおこる場合は、冬のはじまりにおこる事が多い。
気温が低く、湿度も低く乾燥傾向になるとおこる。
症状
痰の量は少なく、吐き出すと白色の痰がでる、温燥と同じく痰の量が少ないのでのどにへばりついて吐き出しにくい事もある。口内や鼻の奥、舌、くちびるは乾燥傾向。
症状が全身におよぶ場合は
悪寒・発熱・頭痛・鼻づまり・皮膚の乾燥。
舌の状態
舌苔が少なめで乾燥、逆に粘りけのある舌苔が多くつく事もある。
使用方剤
杏蘇散『温病条弁』
蘇葉・杏仁・半夏・茯苓・甘草・前胡・桔梗・枳殼・橘皮・生姜・大棗
対策
涼燥は、胃腸や肺が弱い体質であったり、飲みすぎは食べすぎ、働きすぎにより胃腸が弱っている時に気温と湿度が低下しておこる。
どか食いや消化の悪い食べ物、睡眠前の食事、つめたい飲み物を控えたり、よく噛んで食べる。
疲労感がたまっている時はしっかり休養をとって、身体に無理をかけない。
大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。