慢性上咽頭炎や後鼻漏でお悩みの方が甘いもの食べると悪化する
2023年11月22日
慢性炎症や後鼻漏の方のご相談にのっていると、相談者から「甘いものを食べるとだめですか?」という事を聞かれます。
実際に生クリームやチョコレートを食べた後に後鼻漏が増えた・のどの痛みが増したと言われる方々がいらっしゃいます。
今回は甘いものを食べると、なぜ後鼻漏や上咽頭炎の調子が悪くなるかという事を書いていきたいと思います。
中医学の五行図の関係から見てみると
この図を見たことがある方もいると思います。
五行図ですね。中医学ではこの図の中にある木・火・土・金・水の属性に五臓や季節・感情・色・味などを対応させて、病気の状態を考えたり身体の調和を整える時に使われます。
五行図を見てみると、甘味の強い食べ物を食べすぎると脾の力が強くなり、腎が弱くなるような関係になっています。(脾→腎への相克関係)
古代人が指し示すこの関係が、現代生理学で当てはめると後鼻漏や上咽頭炎が悪化するという現象に、不思議とつながります。
甘いもの食べすぎると炎症が鎮まりにくくなる
甘いものを食べる→血糖値が急激にあがる→膵臓からインスリンが分泌→血糖値が急激に下がる→身体が危機を感じてアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが過剰に分泌される→副腎が疲れて機能低下
副腎の副腎皮質からグルココルチコイドというホルモンを分泌しており、血糖値を維持してしたり、炎症をおさえたりする作用があります。
甘いものを継続的に食べていると副腎の機能が低下して、グルココルチコイドの分泌が減少して炎症が鎮まりにくくなります。
甘いものを食べたらダメなのか?
そんな事はありません。
糖質・たんぱく質・脂質とあるなかで糖質が胃腸には一番負担がかかりにくく、クリーンなエネルギーであり、胃腸が弱い人には重要なエネルギー源になりますので、甘味のあるお米や麺類などはかかせません。ただしこれらも血糖値を上げる速度は早いですので、まずは食物繊維の含まれた野菜を食べた後にお米や麺類を食べる方が、血糖値の上がり方をゆるやかにできますので、食べる順番には気をつけた方が良いでしょう。
問題は精製された砂糖の含まれたスイーツやお菓子やブドウ糖・果糖・液糖などの入ったジュースなどで、これらは後鼻漏や上咽頭の炎症が強い方は摂取するのは止めた方が、症状の改善が早くなるのは間違いありません。
逆に言えば野菜を食べずに、米や麺類などの糖質ばかりの食生活を送っていたり、スイーツ・お菓子・ジュースなどを毎日のように摂取されている方は、それらを止めるだけでも現在の後鼻漏や上咽頭の炎症状態も改善される可能生がありますので、チャンスがあるという事です。
もちろん後鼻漏や上咽頭の炎症を治療するために漢方薬を飲んでいても、スイーツ・お菓子・ジュースなどを気にせずに毎日食べていると漢方薬の効果が落ちるので、止める必要があります。
大阪の浪速区にあるミズホ薬店の店主。
お店にひきこもって漢方の勉強をしたり、漢方相談をしながら暮らしています。