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脾陰虚と胃陰虚について(6)

2016年05月30日

前回は麦門冬湯の方意のメインは脾胃系統であることまで書きましたね。

さあ、今日も私は自由気ままに発想しながら記載していきます。

もうちょっと麦門冬を記載します。

麦門冬は日本で販売されているエキス製剤の方剤の中にも良く入っているので重要ですものね。

農業と 医薬を我々人類に伝えたと言われる神農さんの神農本草経を見ていきましょうか。

その前に神農さんは 

うわっ!!こんな人…

頭の二つの角みたいやなヤツは何やねん!?この人は人間ではないんちゃうん!!


そしてこのような記載もあります。

「頭部と四肢を除き、内臓が外からはっきり見えたといい、そして色々な草を嘗めて毒の有無を確かめ、毒がある場合は内臓が黒くなったらしい。」

庶民から見たらだいぶ、グロい感じですけど、あくまでも過去の人の表現なので鵜呑みにはできませんが、このような話が残るということは、現在に置き換えればどのような事になるかと考えるのが重要なのです。

麦門冬《神農本草経》

麦門冬 味甘平 生山谷 治心腹結気 傷中傷飽 胃洛脉絶 羸痩短気 久服軽身不老不死

麦門冬の味は甘く温めることも冷やすこともしない、山谷に生えてる植物である。

心や腹のあたりの結んだ気や、中焦(胃腸)を傷つけ胃の絡脈が絶えそうな時や、痩せこけて息切れするような物を治す。長い間服用すると老化することや飢えることがなくなる。

のような事が記載されています。

頭に角のようなモノが生えた神農さんの認識では、どうやら胃腸機能を補いながら体を元気にするな感じですね。

痩せこけて息切れするよな感じや胃の絡脈が絶えそうな時を治すので、胃⇒脾⇒肺⇒心の流れも通しそうですね。しかし、この生薬はやはり中焦(胃腸)部位に作用するのがメインだと考えてよさそうです。

このような事が記載していると、私の頭の中には補気建中湯の中の麦門冬の役割がイメージで出てきますね。

麦門冬湯は、現代の日本では一般的には肺に効く認識を持たれている方が多いのですが、前回のブログの内容も合わせて考えると、ますます脾胃系統がメインである方剤構成であることが認識されるのである。

前回のブログの最後に人参を抜いたら病機の本を肺に持っていけるような事を記載しましたが、それも誤りのような気もしてきました。

それ以前に考えなければならないのは人間の臓器は有機的につながっていてこそ、機能することを忘れてはいけません。

また五臓六腑という認識も、我々人間が勝手に物事を簡潔に把握しようと分けているだけであって、そのような区切りも本当はないのです。

しかし、名老中医と言われる凄腕臨床家の頭の中の五臓六腑や気血津液、生薬帰経の境界線の認識は限りなくグレーに近いのだと思いをはせるのであった。

とりあえず今日はこのへんで。

続く…