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脾陰虚と胃陰虚について(8)

2016年06月01日

前回は血証論の「脾陽不足すれば、水穀はもとより化さず、脾陰不足するも、水穀はまた化さざるなり。たとえば釜中に水なくともまた熟さざるなり」の内容の中の脾が何を腐熟させるのか?というところまでいきましたね。

問題は脾は何を腐熟させるのか?ですが、まず脾の腐熟を考える前に、物質的に理解しやすい胃の腐熟を考えればおのずと答えは出てくると思います。
胃は摂取した飲食物を腐熟させて水穀にして、小腸に送り小腸で清と濁に分け、余った粕が大腸を送り糞便に変わります。陳潮祖先生が記載するには、腸道で吸収される段階で『水穀の精微』を記載されている事から、胃は飲食物を『水穀の精微』の段階まで腐熟して脾の働きにより腸道で吸収し各臓器に送られる。

 じゃあ『水穀の精微』はどのような状態なの?
(ここからは私の得意な無理やりこじつけたイメージ理論で押し進みます!)
まずは体の各臓器に栄養を送り届けるための一つの方法として三焦空間を通しますが、その三焦空間は体の中を占める空間としてはとても大きく、隅々まで届かすためには、気体の状態の方が効率が良いのです。


私が考える『水穀の精微』のイメージは気体や液体が入り混じっている状態で、脾が腐熟するものとは『水穀の精微』である可能性が考えられます。そして水穀の精微を完全なる気体状態まで化生させるのです。

病機の状態から考察しても、例えば脾気虚や脾陽虚などがある場合に、脾が水びたしになったり痰がこびりつく状態が、他の臓器に比べ起こりやすい現象からも水穀の精微は完全なる気体でないことが考えられます。
結論としましては、胃が腐熟させるものは『摂取した飲食物』を『水穀の精微』へ、脾が腐熟させるものは『水穀の精微』を『脾の穀気』と考えると血証論の条文もすんなり理解できるのです。

脾と胃の腐熟の区別できたので、いよいよこのブログの本題である胃陰虚と脾陰虚の違いに進んでいきたいと思います。(だいぶ理屈くさくなったけどやっとゴールが見えてき感じかな?〉
続く…