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舌をみて考える慢性上咽頭炎の治療に必要な漢方薬

2022年11月29日

舌を診て考える慢性上咽頭炎の治療に必要な漢方薬

慢性上咽頭を漢方薬を飲んで治療する場合に、どの漢方薬を飲めば良いのか?。

今回のブログは舌の画像をあげてご説明していきます。

*ちなみ慢性上咽頭炎以外の病気でも、今回の舌と漢方薬の関係性は使えます。

温める漢方薬・冷やす漢方薬のどちらを飲むのが良いのか?

慢性上咽頭炎のお悩みの方を大きくわけると、以下の2つのタイプに分かれます。

「どちらかに属するのか?」は舌の状態を判断材料のひとつにします。

  • 温めて治療してく慢性上咽頭炎
  • 冷やして治療してく慢性上咽頭炎

実際には温める治療と冷やす治療を併用して行う事も多いですが、どちらがメインになるかを決めて治療していく事は大切です。

このブログを見ている方の中にも、慢性上咽頭炎を治療するために漢方薬を飲んでいる方もいらっしゃると思います。中には漢方薬を1年以上飲んでいるけど、効果を感じていないという方もいらっしゃるかもしれません。

「今飲んでいる漢方薬があっているのか?」の判断基準に、舌を確認してもらうのも良いと思います。

実際は舌の状態だけで判断する事はなく、温めるのも冷やすのも微妙なさじ加減が必要な事が多いですが、舌の状態を見ずに漢方薬を決めて飲んでいる場合も多いですので、この機会に舌を見て考えてみるのも良いかと思います。

温める漢方薬が必要な方が冷やす漢方薬を飲むと体調が悪くなりますし、その逆もまたそうです。

微妙な判断は専門家にご相談するのが良いですので、今回は漢方の知識がない方でも、わかりやすい極端な舌の状態だけを上げます。

もし現在に飲んでいる漢方薬の効果を感じられていな方で舌の状態もあわない場合は、漢方の専門家にご相談ください。

温める漢方薬が必要な舌

温める漢方薬→小青竜湯・麻黄附子細辛湯・苓甘姜味辛夏仁湯・葛根湯加川芎辛夷・六君子湯・香砂六君子湯・半夏白朮天麻湯・半夏厚朴湯・藿香正気散(勝湿顆粒)・玉屏風散・苓桂朮甘湯など

温める漢方薬が必要な舌

この舌は舌の色があわく、しまりがなくぶわっとしていますよね。さらに舌の表面はツルツルと唾液があふれています。このような舌であるという事は舌につながる奥の身体の中も液があふれている可能性が考えられます。身体の中に熱があれば血流も活発になり血管が充血したり体液が乾燥するので、このような舌にはなりません。

よってこの舌がみられる人は熱よりも冷えの存在がある可能性が高いので、温める漢方薬を使います。実際の相談現場では上咽頭の周辺の違和感・さらさらした後鼻漏があふれる・せき・鼻炎・胃腸の不調・頭痛・頭が重い・めまい・身体だるさなどを訴える事が多いです。

温める漢方薬が必要な舌

この舌は、ねばっとしたような白い舌苔がたくさんついているのが特徴です。さきほどの舌に比べて、体液の停滞が強い事が考えられます。体液の停滞は熱を生みますが舌苔の色は白く、舌の表面もまだツルツルした唾液の輝きがある事から熱が存在する可能性が低いです。

体液の停滞からおこる上咽頭周辺の違和感・後鼻漏・胃腸の不調・めまい・身体のだるさ・気分がすっきりしないなどの症状を、温める漢方薬をして体液のめぐりをよくする事によって改善していきます。

冷やす漢方薬が必要な舌

冷やす漢方薬→小柴胡湯加桔梗石膏・柴胡清肝湯・荊芥連翹湯・防風通聖散・黄連解毒湯・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・麦門冬湯・竹葉石膏・生脈散(麦味参顆粒)・六味丸・味麦地黄丸など

温める漢方薬が必要な舌

さきほど例にあげました「温める漢方薬が必要な舌」に比べて違うのが、舌の赤さ・苔の色・舌の大きさです。

舌の赤さは淡いピンク色ではなく、赤みが強く。見た目からしてもメラメラと熱の存在を感じます。そして舌苔の色も白くなく黄色くなってます。舌苔が黄色く変化した場合も体内の熱の存在を表します。舌の大きさも「温める漢方薬が必要な舌」は、ブワッと輪郭が大きく締まりがないのに比べて、こちらの舌は締まりがあります。これも体内の熱の存在により水分が減少している事からおこります。

体内の熱もしくは、上咽頭周辺の局部の熱によって体液が濃縮されて後鼻漏や痰の質は粘り気が増します。痰の色も透明から濁り、時に黄に色づく事もあります。熱の存在により上咽頭の痛み・ネバネバした後鼻漏や痰・乾燥感・せき・身体の痛みやだるさ・睡眠の質の低下・イライラしやすかったり・強い不安感がおきたりします。

このような舌をあらわす場合は、黄芩・黄連・山梔子などの入った乾かす性質がある冷やす漢方薬を使用するのが良いです。

温める漢方薬が必要な舌

さきほどの「冷やす漢方薬が必要な舌」に比べて違うのは、舌苔の有無です。この舌には舌苔がありません。舌苔がなくなってくると体液の減少が顕著になってきますので、上咽頭周辺の痛みに加えて・乾燥が強く・痰がからみ・痰が排出できない・咽頭での異物感(なにかひっついてとれない)・乾燥をともなう激しいせきなどの症状があらわれます。

このような舌をあわらす場合には石膏・知母・乾地黄などの入った、潤す性質のある漢方薬を使用するのが良いです。

温める漢方薬が必要な舌

この舌は上の2つの「冷やす漢方薬が必要な舌」に比べて、舌の赤みが強くないです。この事から熱の存在はそれほど強くないですが、舌苔がないので体液の減少が考えらます。

もしのこのような舌で上咽頭周辺の乾燥感・痰のへばりつきなどの異物感・せき・胃腸の不調・身体のだるさなどの症状がある場合は、人参・麦門冬・甘草などの甘みや五味子などの酸味で潤す性質がある生薬の入った漢方薬を使用するのが良いです。

最後に

慢性上咽頭炎を漢方薬を治療する場合は、漢方薬の効果が出ているかどうかの判定は10日前後でおこなう事が多いです。不調がおこっている場合に適してる漢方薬を飲むと何か反応が出ます。

逆にあわない漢方薬を飲む続けていると、慢性上咽頭炎が治るどころか少しづつ悪化していきます。

漢方薬の効果はやさしいので、3ヵ月ぐらい飲んでからじわじわと効果が出てくると思われる方も多く、実際の相談の現場では、漢方薬の効果を気長に待って悪化させている人もいらっしゃいます。

舌を見ずに漢方薬を飲んでも効果を感じられなかったり、「漢方薬を飲んでから調子が悪くなっているかも?」と思われる方は、ご自身の舌の状態と飲んでいる漢方薬を今回のブログを参考しながら確認してもらえれば良いです。

実際には例外もあるので舌だけで判断する事はなく、温める漢方薬や冷やす漢方薬も両方バランスをとりながら使用する事もありますので、漢方の専門家にご相談するのが良いです。